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SM続騰、1100ドル台に ベンゼンも上昇 値差は高水準維持
アジアでスチレンモノマー(SM)の騰勢が続いている。需要期に入る一方、定修期を迎えるなかで高騰。旧正月明けに1トン当たり1000ドル(CFR)を超えてから、先週に1100ドルを突破した。主原料ベンゼンも域内の定修期を控えて上昇し、3カ月ぶりに600ドル台(FOB)に乗せた。旧正月後に徐々に縮小するとの見方もあったSMとベンゼンの値差は、SMの独歩高だった昨春ほどではないが高水準を維持している。ブタジエンも急騰してるなかで、川下のアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂などの価格に影響が出つつあるようだ。
SMは昨年、韓国を中心に定修が集中したことに加え、設備トラブルが相次いたことで供給が不足し独歩高となった。アジア市況は5月にピークを迎え、約1500ドルまで高騰。ベンゼンとの値差は昨年末の最悪期から5倍規模に拡大していた。
主要市場の中国では、華東地区の在庫が適正水準の半分以下まで圧縮されていたため、定修明け後は需要が鈍いなかでも在庫積み増し需要があった。市況は8月に1000ドルを割り込み、その後は800ドル台後半まで沈んだ。
年末から引き合いが増え始め、ベンゼンとの値差は縮小から拡大に転じた。旧正月が意識されるようになり、玉不足の事態を避けるため在庫の確保に動いたもよう。2月には日本の年産32万トン設備が停止。定修入り設備もある。今後、需要期に入るなかで需給タイト化が見込まれ、アジア市況は先週に1100ドルを超えた。ベンゼンとの値差は、縮小が止まった昨年末比で約8割拡大したもよう。
ベンゼンの市況は原油価格に連動して1月に530ドル以下まで軟化したが、2月下旬から上げ基調となり、今月2日に600ドル台に乗せた。今月から韓国などで定修が行われるようだ。
一方、ブタジエンも急騰した。トラブルによるクラッカー停止や定修で需給がタイト化し、昨夏以来の1000ドル台乗せとなった。SMとブタジエンの高騰でABS樹脂などの価格にも影響が出そう。
(化学工業日報 3月7日付 より)