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SMアジアで続騰 1500㌦台乗せ ベンゼン連動など
スチレンモノマー(SM)のアジア市況が続騰し、1㌧当たり1500㌦を超えたようだ。定修が集中して供給不足となった2015年春以来の高値水準となった。急騰した主原料ベンゼンの市況はいったんは軟化したが、反発の動きをみせている。SMは米国市況が上昇したほか、域内では春先から定修案件が増えてくる。SMの供給余力は世界的にみて低く、設備トラブルなど供給減要因が少しでも発生すると市場が敏感に反応する傾向。今年も域内で増設計画が控えているが、需要が堅調を継げば当面は高値を維持していくとみられる。
SMは昨年10月に米国で2件の設備トラブルが発生。これにより、米国のアジア向け輸出が減少し、アジア市況の押し上げ要因となった。アジア域内のSM生産が増え、域内のベンゼン需要が増えた。
ベンゼンのアジア市況は需給タイト化によって上値を追い、原油相場の上昇も相まって、10月の600㌦台前半から12月上旬に900㌦を超えた。年明けに騰勢が再燃し、新規設備の稼働遅延や米国市況の上昇などにも支えられ先月20日過ぎに1000㌦を突破。900㌦台半ばまで軟化したが直ぐに反発し、先週に1000㌦に回復するなど底堅く推移している。
SMの昨年10月のアジア市況は1000㌦前後だった。需給タイトなため、原料市況が上がった分値上げできるような環境にあり、上値を追ってきた。足元は1500㌦を超えたもよう。米国市況が上昇したことや、春先から6月頃にかけて韓国や中国などアジア域内で定修が続く見通しであることも上げ要因とみられる。
昨年は5月に常州東昊化工の年産30万㌧、6月に中国海洋石油・寧波の28万㌧が立ち上がった一方、2月に旭化成の1系列32万㌧が停止した。中国アベルの25万㌧は昨年終盤に稼働を開始したが、バースを建設中で原料をタンクローリーで運んでいる状況のため稼働は限定的なようだ。本格生産に移行するのはバースが完成予定の3月以降になりそう。今年も増設計画はあるが、需要が堅調を継げば需給バランスが大きく崩れることはなさそう。
(化学工業日報 2月6日付 より)