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SM、6カ月ぶり1000ドル台 ベンゼンとの値差拡大

 スチレンモノマー(SM)のアジア市況が6カ月ぶりに1トン当たり1000ドル台に乗せた。昨年は韓国の定修集中や原料エチレンの不足などによって春から急騰し、主原料ベンゼンとの値差は過去最高水準に達した。その後は弱含み、旧正月を意識した在庫の積み増し需要を反映して反発したが、上値の重い展開となっていた。旧正月が明けて1000ドル台に回復。一部設備の停止や定修などが市況の押し上げ要因と考えられる。ベンゼンとの値差は昨春の水準には及ばないが、昨年終盤から拡大に転じ高収益圏にある。

  SMのアジア市況が先週、半年ぶりに1000ドル台に回復した。2015年は14年後半からの原油安や川下の信用不安問題が影響し、14年夏の半値レベルの約800ドルで始まったが、原油価格が上昇に転じたことで反発。また、春先から韓国を中心に定修が相次いで行われ、4月前半だけで200ドル以上跳ね上がった。さらに、エチレンが設備トラブルや定修で供給不足となり高騰。エチレンを十分に手当できず、稼働を落とさざるを得ないメーカーもあった。一度は調整が入ったが、5月に中東と欧州で4件の設備トラブルが一斉に起こり、約1500ドルまで上昇。この頃のベンゼンとの値差は14年終盤の約5倍まで拡大した。

  需要は芳しくない状況ながら、定修が完全に明けた後も在庫の積み増し需要があり、軟化ペースは緩やかで高収益を維持した。中国・華東地区の在庫は適正規模が10万トン前後とされるなかで、5万トン割れの状況が続いていた。

  在庫が増え需要が盛り上がりに欠けるなかで昨年8月に1000ドルを割り込んだ。原油安の再燃や中国の経済成長減速などで弱含み、900ドルを割る局面が何度かあった。

  ベンゼンとの値差は昨年12月初めにピーク時の半分程度まで縮小したが、拡大に転じた。旧正月を前に、昨年の定修集中時の玉不足の経験が購買意欲を誘い、冬場の不需要期ながら引き合いが増えた。アジア市況は先週に1020ドル前後まで上昇。ベンゼンとの値差は12月初めより6〜7割拡大した。供給面では旭化成ケミカルズが32万トン設備を停止。域内外で定修もある。エチレンは3月から域内で定修が始まるもよう。

  中国は国内に合わせて年産能力696万トン(14年末)の設備を持つが、いぜん輸入が多い。14年の内需は898万トン、輸入は373万トンだった。韓国品が最大シェアを占め、前年比23%増の140万トン。韓国に次いで多いのがサウジアラビア、台湾、日本だが、ともに50万トン以下。15年は前年比微増の374万トンとなった。

(化学工業日報 2月24日付  より) 

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