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17年油価45〜55㌦ 米社予測 OPEC減産で
2017年の原油の世界需給は第2四半期中にバランスし、その後、需要が供給を上回る局面を迎えそうだ。米国のエネルギー調査会社、エナジーインテリジェンスグループの調べでは、石油輸出国機構(OPEC)の減産合意により、世界的な需給のリバランスは当初予測より半年ほど早まる。しかし、第4四半期に一時的に供給が需要を上回る展開となり、17年の世界需給は日量42万バーレル(以下すべて日量)ほど供給が需要を上回る。17年の油価は1バーレル当たり45〜55㌦で推移すると見込んでいる。
同社のレポートによると、17年の世界の原油需要は前年比124万バーレル増の9793万バーレルで、供給は24万バーレル増の9835万バーレルとなる見通し。第1四半期と第4四半期にそれぞれ供給が需要を上回り、第2四半期と第3四半期は需要が供給を各30万バーレルほど上回る見込みという。
17年のOPECの産油量は今秋の減産合意により、前年比98万バーレルの減少に転じる。一方、非OPECは100万バーレル以上増え、OPECの天然ガス液も前年を上回り、世界供給量を押し上げる。減産合意にいたったOPECではイラン、リビア、ベネズエラ、ニュートラルゾーン(サウジアラビア、クウェート間の中立地帯)で前年を上回る産油量になるとみられているが、その他の国では減産を見込んでいる。
サウジアラビアでは、国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開を控えていることなどを背景に、高値を維持したいとの思惑から減産をリードするとの見方が強く、50万バーレル減が続くと予想している。政情不安が継続するとみられるナイジェリアでは2年連続の減産が見込まれる。非OPECでは米国、カナダ、ブラジル、カザフスタン、英国で100万バーレル以上の増産が続く一方、中国、メキシコでは、それぞれ380万バーレル、190万バーレルの大幅な減産が行われるとみられている。
17年の油価は、OPECによる減産合意が影響し、4月ごろまで北海ブレント価格が1バーレル当たり50㌦を上回るものと予測される。その後は40㌦台に低下し、40㌦台後半で推移するとみられる。秋場には50㌦台に値を戻すとされており、17年末から18年にかけては再度上昇する展開になるとみている。
(化学工業日報 12月9日付 より)