高機能樹脂の原料となる化学品、ビスフェノールAの値上げが出そろった。三井化学は13日、製品価格を21日納入分から1㌔あたり20円（1〜2割）以上引き上げると発表した。値上げは2014年1月以来、3年1カ月ぶり。原料コストの上昇分を転嫁する。

  主原料のベンゼンは原油高や需要増を背景に値上がりが続く。2月の指標価格は直近安値（16年2月）に比べ8割高い。製造時に使う重油の価格も上昇している。

  原料高を受けて1月に新日鉄住金化学と出光興産が1㌔20円以上、今月初旬には三菱化学が同40円以上の値上げを打ち出した。新日鉄住金化学は15日納入分からさらに15円の上乗せを決め、需要家と交渉に入った。

  ビスフェノールAは、ポリカーボネート樹脂やエポキシ樹脂の原料として使われるほか、樹脂の添加剤などにもなる。

（日本経済新聞 2月14日付  より）