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市原のPP1系列停止 日本ポリプロ、来年3月に
日本ポリケムが65%、JNC石油化学が35%出資している日本ポリプロ(東京都千代田区)は4日、五井工場(千葉県市原市)のポリプロピレン(PP)設備1系列を2017年3月に停止すると発表した。停止設備はフィルムや産業資材向けのPPを製造しており、稼働率が低く、採算が悪化していた。同社では他の設備に製造を振り分けることで、全体の稼働率を85%から90%に引き上げたい考え。
来年3月に停止するのは五井工場にあるスラリー法の設備で、生産能力は年間6000トン。原料は近隣にある丸善石油化学のナフサクラッカーから受給している。スラリー法は気相法に比べて生産効率が低いとされ、稼働率は低かった。日本ポリプロは五井のほか、鹿島(茨城県)や四日市(三重県)、水島(岡山県)などにも工場を保有する。今回の停止により全体の生産能力は98万6000トンから87万1000トンに約1割減少する。
日本ポリプロは、さらなる生産設備の最適化に取り組む方針。五井と鹿島に残るスラリー法設備の構造改革が中心になる見通し。一方、原油安や円安を受けて国内のPP需要は今後、底堅い需要を見込める。系列集約とともに生産性に優れる気相法設備の増設も選択肢の一つに捉える。同社はフィジビリティースタディー(実行可能性調査)を実施し、今年度中に対応策を詰めていく方針。
(化学工業日報 8月5日付 より)