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国産ナフサ 下げ幅縮小 7〜9月 原油強含み映す 3万1300円
2016年7〜9月の国産ナフサ基準価格は、前四半期に比べ1㌔㍑当たり300円(0.9%)下落し3万1300円となった。値下がりは5期連続となるが下げ幅は縮小した。季節的な要因での需給引き締まりなどにより、6月初旬にWTI価格が約1年ぶりに1バーレル当たり51㌦台の値を付けるなど、原油価格が7月初旬頃まで強含みで推移したことが影響した。
ナフサの輸入価格は主に入着の1〜2カ月前に決定し、入着時の為替で円換算される。経済産業省がまとめたエチレン用輸入ナフサ痛感実績によると、3月を底に上昇を続けていたドル建ての価格は7月に1㌧当たり420.4㌦の値を付けて頭打ちとなり、8月は404.7㌦、9月は384.8㌦と続落した。為替は6月に比べ、さらに円高傾向を強め、7月平均は1㌦=103.1円、8月は103.2円と横ばいだったが、9月は101.9円と円高が進行した。
国産ナフサ基準価格は昨年7〜9月に下落に転じて以降、下げ基調を継いでいるが、変化の兆しがみえてきた。10〜12月から2期連続で2ケタ落ち込み、7年ぶりに4万円を割り込んだ。前四半期も7.8%値下がりしたが、今回は横ばいに近い水準での値動きとなり下落の勢いは弱まった。
今年10〜12月入着のナフサについては、すでに大半の価格が決定している。東京オープンスペック市場の動きをみると、10月入着分以降は1㌧当たり340㌦台を底値に上昇傾向にある。足元では450㌦前後の値を付けており、ドルベースで前の期を上回りそうだ。為替も今月に入りやや円安傾向をみせており、10〜12月の国産ナフサ基準価格は上昇に転じる可能性がある。
(化学工業日報 10月31日付 より)