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原油、下落基調継続へ 米国の精製処理量低下
6月23日に英国で欧州連合(EU)離脱の国民投票結果が出てから不透明感を強めている原油市況だが、当面は下落基調を継続する可能性が大きい。米国のガソリンシーズンがピークアウトしつつあることから、同国で精製処理量や原油購入量が低下するとみられる。原油市況は一時的に上昇感を強めていたが、今月に入り、再び下落局面を迎えており「少なくともこの先1カ月間は下落傾向になりやすい」(石油天然ガス・金属鉱物資源機構=JOGMEC)との観測が広がっている。
原油市況は、英国の国民投票を受け、安全資産のドル買いが進み下落。しかし、米国で在庫が減少したほか、ノルウェーでの労働者ストライキなどを材料に一時は1バーレル50ドル近くの国民投票実施前の水準に戻った。
ところが、欧州経済の不透明感や米ガソリン先物相場の下落によって今月の上旬から再び下向きの動きに転じている。
この間、米国では夏場のガソリンシーズン入りとともに、原油精製処理量が増加し原油在庫は減少。それでも平年の水準よりも高い。また、ガソリン在庫は輸入が増えたこともあって増加したため、原油、ガソリンともに平年水準を超過する状態となっている。
また、米国の製油所は7月後半になると9月以降の不需要期を控え、精油処理量を下げ始める。ナイジェリアなどでの地政学的リスク、米経済指標の動向などで多少上下することはあっても、WTI先物で1バーレル45ドルほどをつけている足元の価格から、しばらくさらに下落基調をたどっていくことになりそうだ。
(化学工業日報 7月20日付 より)