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ポリオレフィン アジア、年内安定推移 中国不調も定修相次ぐ
ポリオレフィンのアジア市況は、年末に向けてしばらく堅調な動きを続けるとの見方が多い。需要は中国経済の不調を受けて力強さを欠いているが、定期修理の多さなどから供給も頭打ちで推移するとみられるため。足元で一時的に落ち込んでいる市況も、原油・ナフサ価格の強含みを受けて先高気配を見せつつある。原油・ナフサの動向が一定のレンジを保つのであれば、多少の値動きはあっても、大きな変動を起こす地合いにはない。
足元の低密度ポリエチレン(LDPE)のアジア市況は、中国・フィルムグレードが1トン当たり1100〜1150ドルとなっている。また、ポリプロピレンは同ヤーングレードが同940〜950ドル。
1年前には同1400ドルをつけていたLDPEは、その後は下落基調に転じたが今年の1〜2月の同1100ドルほどを底に上昇。4〜5月には1200ドルまで到達した。域内でトラブルや定修が相次いだことで原料不足から反発したものとみられる。5月末から定修の一部終了やそれまでの原油・ナフサ安の影響から修正局面に入っているが1バーレル当たり50ドルに届いてきた原料動向などを受け再反発の兆しも出ている。
PP市況の動きも、ほぼ同様に推移している。1年前の同1200ドル超から今年初めには800ドル近辺まで落ち込んだものの、4月には1000ドルをうかがう気配をみせて現在にいたっている。
一部では中国の需要に陰りが見えてきたとの観測もある。しかし、生活関連素材が多いこともあって現状では影響は限定的。
さらに供給面では、今年は年を通じてセンターの定修が続く。プロパン脱水素(PDH)法によるPPの新設設備の稼働も今後予想されているが、必ずしもすべての計画が順調に進捗しているわけではないとの情報もある。
こうした状況からアジアのポリオレフィン市況は、原料価格の動向で多少の値動きは予想されるものの、中国経済の大減速といった事態がない限り、基本的に現状の価格帯で動いていくとみる向きが多い。かなりの幅を確保していた昨年前半ほどでないにしろ、オレフィンとのスプレッドもPEサプライヤーにとって悪くない水準を保っていくものとみられている。
(化学工業日報 6月20日付 より)