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ブタジエン 玉不足、3000㌦間近 合成ゴムの採算性悪化

  【バンコク=渡邊康広】ブタジエンのアジア市況が高騰を続けている。足元のスポット価格は1㌧当たり2850〜2900㌦(極東アジア、FOB)で、春節が終了しても値が下がらず、さらに上値を目指す展開となっている。域内ではすでに、3月契約価格として3000㌦以上を提示しているブタジエンメーカーもある。いぜん続く玉不足と、関連する天然ゴムの高値推移など複数の要因が高騰の背景にある。このため主要な需要家である合成ゴムメーカーは製品を値上げしているものの、ブタジエンの値上げに追い付かない状況で、とくにスチレンブタジエンゴム(SBR)など汎用合成ゴムメーカーは瞬間的に赤字操業を強いられている。

  ブタジエンのアジア市況は、直近の底値である昨年11月上旬の1㌧1300㌦台から一本調子で高騰を続けており、春節前の1月下旬には2800㌦まで高騰した。当初、春節後には中国のタイヤメーカーの稼働率が落ちて、ブタジエンの引き合いも鈍化していくとみられていたが、いぜん域内ではブタジエンの玉不足が続いており、市況下落にはいたっていない。

  むしろ春節後もさらなる上値を目指す展開となっている。域内の一部では3月契約価格として3000㌦以上を提示しているブタジエンメーカーも出始めた。

  このため合成ゴムメーカーの採算が大きく悪化している。汎用SBRなどボリュームの大きい合成ゴムでは製品値上げを行なっているが、原料高騰分を転嫁し切れておらず、一時的に赤字操業となっている。このため合成ゴムメーカーはブタジエンの調達を抑えたい意向だが、タイヤなど需要家からは引き合いが根強く、苦しい操業を強いられている状況が続いている。

(化学工業日報 2月8日  より)

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