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ブタジエン、アジアで続騰

中国のタイヤ向けなど期待合成ゴム需要旺盛

  アジアのブタジエン市況が騰勢を強めている。足元のスポット価格は1㌧当たり2600㌦付近で、ここ1カ月ほどで4割程度上昇した。タイヤ用途などで合成ゴムと競合する天然ゴムの値上がりの影響を受けているうえ、中国で小型車に対する減税措置が延長されたことも、合成ゴム需要への期待感につながっているもよう。旧正月前の在庫積み増しを経てもなお下落の気配がないことから、短期的には2月以降も高値圏を維持するとの見方が強い。

  ブタジエンのアジア市況の騰勢は、現在も続いている天然ゴム価格の上昇に加え、中国のブタジエン需要が堅調に推移していることが背景にある。中国政府は昨年12月中旬、同月末が期限だった小型車の自動車取得税に対する減税措置の1年延長を発表した。2015年10月から実施しているもので、対象は排気量1600cc以下の小型車。ただし、これまで10%から5%へ引き下げられていた税率は、今月から7.5%に引き上げられている。

  これにより、好調だった新車向けのタイヤ需要が今後も維持される見通し。すでに合成ゴムを買う動きは旺盛で、アジア域内の在庫量も低水準にある。

  また、白物の家電製品などに多く使われるアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂の需要も堅調で、ブタジエン価格を引き上げているとみられる。

  これに旧正月前の在庫確保の動きが重なり、上昇に拍車をかけた。ただ、在庫積み増し分の取引は一巡しており、すでに旧正月明けに向けた取引も始まっている。また、2〜4月には域内で定期修理が予定されているもよう。欧州品にも余剰感がなく域内への流入は少ないとみられる。スポット玉に不足感が出ていることから、2月以降も同程度の価格水準を維持する公算が大きい。

  ブタジエン市況は昨年、域内の相次ぐ設備トラブルを受け需給がタイト化。それまで1000㌦前後だった価格は10月には1600㌦台まで上昇した。その後一服するも、投機資金が流入し上げ基調となった天然ゴム相場の影響を受け連れ高となり、11月後半から反転。年明けには12年7月以来の水準となる2500㌦を突破した。

(化学工業日報 1月13日付  より)

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