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ナフサ 余剰解消は年末以降 中東などからの流入域で
ナフサのアジア需給バランスは当面、緩和傾向が続きそうだ。第3四半期以降、台湾などアジア地域で大型エチレン設備の定修が予定されており、市況はしばらく足元の水準で推移すると見込まれる。一方、年末以降は中東やインドなどからアジアへの流入域が見込まれているため余剰感が解消に向かい、市況は緩やかに回復していくとみられる。
ナフサのアジアスポット価格は1月が1トン当たり345ドル前後、2月が320ドル前後で推移していたが、原油価格の回復により反転し、足元は430ドル前後まで上昇している。
中東やインドの製油所の定修が昨年11月までに完了したことでアジア向けの供給が安定的に推移している一方、今春以降のアジアのエチレン装置の定修で需要が減退。さらに、アジアの製油所が高稼働を継続しており、欧州や北米など域外からアジアへの流入が5月に入ってから減少しているにもかかわらず、アジアでの余剰感は高まっている。
第3四半期以降に台湾などアジアで大型エチレン装置の定修が控えており、この傾向はしばらく続く見通し。一方、サウジアラビアやインドでナフサを原料とする新設の石油化学プラントが立ち上がることから、今年末から中東やインドからの輸入減が見込まれ、余剰感は解消されていく見通し。このため、ナフサ価格はしばらく足元並で推移し、その後緩やかに回復していくとみられる。ドバイ原油相場比ではプラス2〜3ドル/バーレル程度で推移する可能性が高い。
(化学工業日報 6月1日付 より)