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ナフサと価格差縮小 エチレン 石化企業、利幅小さく アジア市場

石油化学製品に使われるエチレンと、基礎原料であるナフサ(粗製ガソリン)の価格差が再び縮小している。エチレンとナフサのアジア市場のスポット(随時契約)価格の差は3月上旬時点で1トン650ドル程度。2015年夏のピークと比べると230ドル程度縮まった。

  15年はエチレン生産設備のトラブルにより品薄感が強まり、ナフサとの価格差は拡大基調にあった。ここにきてエチレンの供給が回復している。

  化学大手の15年4〜12月期の業績は上期の石化事業の利幅拡大が寄与し好調だった。15年度の業績も堅調とみる企業が多い。10〜12月期の石化事業の利益は前の四半期に比べ減少傾向にある。最大手の三菱ケミカルホールディングスは16年1〜3月期の基礎化学品事業が営業赤字に転落すると見込んでいる。

  利幅縮小は限られるとの見方もある。三菱化学やJXエネルギー、韓国勢などがエチレン設備の定期修理を予定している。

  旭化成ケミカルズが岡山県倉敷市の水島コンビナートで1基停止した影響もあり、「今年の需給は引き続きバランスを保つ」(石油化学工業協会の浅野敏雄会長=旭化成社長)。昭和電工の市川秀夫社長は「エチレンの利幅は15年よりは縮小するが、高水準で推移する」とみている。

(日本経済新聞 3月8日付 朝刊  より)

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